友へ チング

友へ チング
/ ポニーキャニオン
 釜山出身のクァク・キョンテク監督が自らの体験をもとに創った2001年の作品です。
韓国では映画史上の興行記録を塗り替える大ヒットとなり、“チング・シンドローム”と称した同窓会ブームが巻き起こったとか 。


観はじめてすぐに「スタンドバイミー」を思い出しました。
まだ何のしがらみもなく、ただ友達でいられた幼い日々。
人数も4人。一番まもと?な子が語るというところも似てるなと。
でも「スタンドバイミー」は少年時代だけでしたが、チングはずっと一緒に流れた時間があってその分切なく過酷なストーリーになっていました。

ここからはネタバレあり、ご注意を。

1976年-13歳
父が暴力組織の親分でケンカが強いジュンソク、 葬儀屋の息子ドンス、両親と妹のいる幸せな家庭で育ったサンテク、両親が密輸業をしているお調子者のジュンホ。
ジュンホの家から持ち出したプレイボーイ誌の切り抜きを近所の子供に売ったり、 海で泳いで遊んだり・・・
4人は今日のおもしろいことだけを考えていればいい、まだ純粋な少年でした。

1981年-18歳
中学は別だった4人が高校でまた一緒になります。
喧嘩ばかりしているジュンソクとドンス、成績優秀で純情なサンテクと相変わらずお調子者のジュンホ。
サンテクは女子高のグループサウンド‘レインボー’のボーカル・ジンスクに淡い恋心を抱きます。
映画館で別の学校の生徒と喧嘩になったサンテクを助けようとして、ジュンソクとドンスは大乱闘事件を起こし退学に。
自分のせいで2人を退学させてしまったと思い悩むサンテクは、家のお金を持ち出しジュンソクに一緒にソウルへ行こうと言いますが、ジュンソクは「チング(親旧)なら謝るな!これからはお前の道をいけ」と断ります。

1983年-20歳
サンテクとジュンホは大学に進学します。
久し振りにジュンソクを訪ねた2人を出迎えたのは、サンテクの初恋の女性ジンスクでした。
母の死の衝撃でクスリに溺れ廃人のようになっていたジュンソク。
そしてドンスまでもが刑務所にいました。

1990年-27歳
父の死後、父の部下だった人の仕切る組織の幹部になったジュンソク。
ジュンソクと敵対する新しい組織のボスの右腕になったドンス。
結婚したジュンホ。
偶然サンテクと再会したジュンソクは、サンテクが留学するこを知ります。
その頃、奇襲されたドンスはジュンソクの指示と思い込み、逆に乗り込んでいきます。
ジュンソクの弟分が殺され、ジュンソクはドンスにほとぼりが冷めるまでハワイに身を隠すよう言います。
「お前が行け」と答えるドンスに「俺が行こう」と答えるジュンソク。
米国へ留学するサンテクを見送ろうとジュンソクはドンスを誘いますが・・・
ジュンソクとドンスが空港に現れることはありませんでした。

1993年-30歳
帰国後、サンテクはドンスの事件を知ります。
2年は身を隠していたジュンソクが自らつまらない事件を起こし逮捕され、ドンス殺害の審判にかけられます。


どうすることも出来ずに、少しずつ変わっていく人生。
やるせないきもちでいっぱいになりました。
なぜドンスはジュンソクと敵対する路を選んでしまったのでしょう。
ドンスの心中に、このままジュンソクと一緒にいたのでは自分はいつまでたってもジュンソクのパシリだと思うコンプレックスや、男気のあるジュンソクに憧れジュンソクと対等になりたいという思いがあったような気がします。
真のチングになるために対等になりたくて・・・ジュンソクに認めてもらいたい一心だったんじゃないかな?
ジュンソクの方は、ドンスをチングと心から思っていたことも気付かずに・・・
ジュンソクが部下に研修で教えた通りの刺し方で、ドンスがジュンソクの弟分を刺し、ドンスもまたその通りの刺され方をするシーンは見ていて切なくなりました。
ドンスはね、空港に向おうとしてたんですよ。
そして最後にジュンソクの捨てた吸殻とドンスの流した血が排水溝で交じり合うシーンはなんとも皮肉で・・・


ジュンソク役のユ・オンソン(当時35歳)は、若く見せるために頬にシリコン注射、皺にボトックス注射を打ったとか・・・
そしてドンス役のチャン・ドンゴンは、つぶらな瞳のお目目では役の陰鬱さやスゴミが出ないとまつ毛を全部抜いてしまったそうです。美男だけの俳優というレッテルを剥がし脱皮しようと模索し兆戦したんでしょうね。
二人のこの役にかける役者魂を感じました。


法廷でドンスの殺害を部下に指示したと言い切るジュンソク。
刑務所に面会に行ったサンテクが、謝るジュンソクにいつもかけてもらった言葉、「チングなら謝ることない」と言います。
ラストは「グリーンマイル」を思い出しました。

「チングなら謝るな!」と言い合える友人を持っている人が果たして何人いるでしょう。
少なくともその部分だけは、彼らは幸せだったんじゃないかな。
でもだからこそ、身を切るように辛かったんでしょうね。

ノスタルジーな作りと綺麗な音楽が哀愁をよび、とても質の高い映画だと思いました。
でもやっぱり全体を通して辛い映画でした。

なので最後は笑えたところの紹介で締めます。
ドンスの豹柄パンツ!あれはやっぱり笑えました。
いつ出てくるか楽しみにしていたので出てきたときは、「おお!これが噂の!」って思わず呟いちゃいました。
そして、ジュンソクがカラオケで歌った「マイウェイ」!
どこの組の親分も18番といったら「マイウェイ」のような気がして、はまりすぎてツボでした。
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by webwing | 2005-01-31 00:00 | TV・DVD・ビデオ


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